はじめに
5歳から11歳への子供への新型コロナウイルスワクチン接種が特例承認されました。もともと、新型コロナウイルスワクチンは、十代前半の子供への接種は認められていませんでしたが、今回、特例として承認したものです(もとの接種可能年齢→ファイザー:16歳以上、モデルナ:18歳以上)
日本では新型コロナウイルスワクチン接種は義務ではありませんが、自分(保護者)の意思で接種する分には問題ないでしょうが、メディアを見ていますと子供にもワクチン接種をしなければならないかのような風潮が出てきていて、私は大変危惧しています。接種対象となる5~11歳は700万~800万人で、早ければ3月にもファイザー製ワクチンの接種が始まる見通しとなっています。
本記事では、海外での子供への接種状況、子供接種が全く勧められない理由などについて、解説してみます。
結論
以下の結論となります。
- 5から11歳へのワクチン接種は、次の理由で、おススメできない。
- そもそも、同年齢で、新型コロナウイルスに感染してもほとんど重症化していない上に、死亡者が出ていない。
- ワクチン接種しても感染予防効果はない(半分はブレイクスルー感染する)
- 今や、型の古いワクチン接種は意味なし。今の変異株に対応していない。
- そもそも、未成年に接種できないはずだった。ワクチン接種の安全性に疑問。
子供接種に関する報道、厚労省
子供(5~11歳)へのワクチン接種の特例承認のニュース報道
厚労省は、5歳から11歳の子供への、新型コロナウイルスワクチン接種を正式に承認しました。以下が、そのニュース報道です。
5歳~11歳の子ども対象 ワクチン接種 厚労省が正式承認(NHK 2022/1/21)
新型コロナウイルスワクチンの接種について厚生労働省は5歳から11歳までの子どもも対象に加えることを正式に承認しました。子どもへの接種をめぐっては去年5月に接種の対象が12歳以上になり、11月には5歳から11歳までも対象に加えるようファイザーから承認の申請が行われました。厚生労働省は20日夜、専門家でつくる部会で検討した結果、ワクチンの有効性や安全性が確認できたとして21日、申請を正式に承認しました。
同特例承認の理由、背景
上記の報道で、堀内詔子ワクチン相は、特例承認の理由、背景について次のように述べています。
堀内 詔子ワクチン相「正しい情報のもと選択できる環境づくりに励む」
堀内ワクチン接種担当大臣は記者会見で「オミクロン株では、5歳から11歳でも感染してしまう子どももいる。また、大きな基礎疾患を抱えている子どもにも接種できる選択肢ができたことは非常に大きなことだ」そのうえで「今月26日には接種のメリットやデメリットを検討する厚生労働省の審議会が開かれる。そこで検討した結果を発信し、保護者が正しい情報のもとに選択できる環境づくりに励んでいく」と述べ、保護者などに対し、接種のメリットやデメリットなどを丁寧に情報発信していく考えを示しました。
大人と同じように一様に、ワクチン接種を推奨するということではなく、基礎疾患を抱えた子供への選択肢の提供の位置づけを述べています。
ワクチン接種で感染防止できるかのようなミスリードのニュース
子供接種に関する報道については、最終的には、自分(保護者のことを指してる?)が判断しないといけないとしながらも、ワクチン接種を推奨するような報道ばかりが目につきます。例えばこれ↓。
【新型コロナ】厚労省 5~11歳ワクチン接種承認 小児科医は?〈鹿児島〉(鹿児島ニュースKTS 2022/1/24)池田病院 池田琢哉院長 「非常に子どもの感染者が増えている。全体の4分の1が子ども。子どもの感染者が増え、学校、幼稚園、保育園が休園、休校になったり非常に社会的影響が大きい。それを防ぐためには今のところワクチン接種しかないと思っている」子どもの感染が広がることで学校の休校はもちろん、全体の感染者が増えれば、たとえ重症化率が低くても重症者が増えることが予想されることから、子供についてもワクチン接種を検討してほしいと言います。
ワクチン接種しても感染防止にならない(ブレイクスルー感染)のは今や常識なのに、医者の立場で「ワクチン接種しかない」と言わせているところがすごいです。ちなみに、2022年1月10日から同16日までの、12-19歳のブレイクスルー感染率は49.7%と、ワクチン接種していても半分が感染しています。(0-11歳はこれまで、ワクチン接種していないのでデータなし)最新のブレイクスルー感染率はこちら。
海外での子供接種についての制限、進捗
厚労省の資料によれば、海外主要国の小児に対するワクチン接種の基本方針は以下のようになっています。
国名 | 5-11歳の小児を対象としたワクチンに関する基本方針 |
---|---|
米国 | 小児に対して接種を推奨。(2021年11月2日) |
英国 | 臨床的なリスクを有するグループ※1に属する小児、または家庭内で免疫不全者と接触のある小児は接種すべき。(2021年12月22日) |
ドイツ | 小児が基礎疾患を有する場合や重症化リスクのある者と接触のある場合は接種を推奨し、個人や保護者が接種を希望する場合は接種可能。(2021年12月17日) |
フランス | 小児に対して接種を推奨。(2021年12月22日) |
カナダ | 小児に対して接種可能。(2021年11月19日) |
イスラエル | 小児に対して接種を推奨。(2021年11月22日) |
※1 慢性肺疾患、慢性心疾患、慢性腎疾患、慢性肝疾患、慢性消化器疾患、慢性神経疾患、内分泌疾患、免疫不全、無脾症または脾機能疾患、複数の臓器に影響を及ぼす重症遺伝子異常、妊娠
上表の内容は、英国とドイツは基礎疾患などのリスクがある場合は推奨という限定を行なったいますが、他の国では、大人と同様にリスクの有無を指定せずに接種が可能、または推奨の立場となっています。
子供接種をおススメできない4つの理由とは?
公開されているデータから判断して、私が子供(小児)接種がおススメできない理由を列挙してみます。
10歳未満の重症、死亡はほぼない
下表は、新型コロナウイルスに感染した人のうち、重症化または、死亡した人の割合です。赤枠内が、0-9歳の値になっています。
(出典)厚労省 新型コロナウイルス感染症の“いま”に関する11の知識
この表からわかるように、0から9歳の場合、新型コロナウイルスに感染しても、ほとんどが重症化しないし(1%未満)、死亡割合は0%となっていて、ワクチン接種を行わなくとも、問題が生じないことがわかります。
現ワクチンには感染予防効果がない(ブレークスルー感染)
多くのニュース報道で分かる通り、ワクチン接種していても感染してしまうブレイクスルー感染が普通に起こっています。前記の通り、12-19歳のブレイクスルー感染率は49.7%と、ワクチン接種しても半分が感染してしまう状況であり、ワクチン接種する意味合いはあまりないでしょう。
古い型のワクチンは意味がない→ 在庫処分?
5から11歳への子供へのワクチン接種は、2022年の3月頃から開始されるようですが、その時に使われるワクチンはおそらく、オミクロン株用に開発されたものではなく(間に合わないはず)、現行ワクチンでしょう。現行のワクチンは、2年ほど前の古い株を念頭に開発されたもので、いまや、何回も変異を繰り返したオミクロン株が主流になっているのに、そんな古いワクチンを接種しても意味がないでしょう。
最近、3回目接種がオミクロン株に効果があるとの報道を耳にしますが、これはファイザー社による古いワクチンの在庫処分のための宣伝だ!と噂されていて、その真偽は不明ですが、そのように言われても仕方がありません。
そもそも未成年者には使用できないはずだったが…
ファイザーのワクチンは、16歳以上でないと使用できない、との但し書きが説明書には、書かれています。つまり、15歳以下では、安全性において問題があるので、使用させないようにしていたはずです。それを今回、特例承認で、使用量を減らす(3分の1)とはいえ、果たして大丈夫だろうかと、疑問が残ります。
最後に
保護者の方におかれましては、テレビ、新聞のメディアの報道に簡単に流されることなく、よくよく、考えて子供への接種の判断をしていただきたいです。