はじめに
イスラエルは、新型コロナウイルスワクチンの高い接種率で有名で、3回目接種は50%超え、そして、4回目接種も進められています。しかしながら、イスラエルでは、このワクチン接種の予防効果が出ておらず、感染予防効果どころか、最も重要な死者が、過去最高の数になっています。
ワクチンは何のために接種するのかといえば、死者をなるべく少なくするためなのですが、イスラエルでの結果は3回のワクチン接種の効果が全く出ていないという状況になっています。
本記事では、イスラエルのワクチン接種率の推移と死者数の関係について、日本との比較で解説してみます。
結論
以下の結論となります。
- イスラエル、英国は、3回目接種率が高いにもかかわらず、新規感染者が増加、そして、死者数も減っていない。特にイスラエルでは、高3回目接種率なのに、過去最高の死亡者数となっていて、3回目のワクチン接種の効果が全く出ていない。
- 日本では、現状でも世界的に見て、感染者数や死亡者はとても低い水準であるが、さらに低水準を目指して3回目接種率を高めようと躍起になっている。イスラエルや英国の結果を見てわかるように、3回目接種率を高くしても、これ以上の感染者、死者数の抑え込みができないことは明らかであり、ワクチン接種による感染予防対策には限界に達している。
3回目接種大国イスラエルで死者数激増!
イスラエル、3回目接種率vs死者数
イスラエルの100万人あたりの新規感染者数とワクチン接種率(2回目、3回目)を下図に示します。
イスラエルはワクチン接種率が高く、3回目接種率が約55%にも達していますが、新規感染者数は過去最高となっています。このグラフからわかるように、イスラエルでは感染者数はすでにピークアウトしていて、ワクチン接種率は、感染者数になんの影響を与えていないように見えます。つまり、ワクチン接種をしても感染予防には全く効果が出ていないことがわかります。
また、イスラエルでの新型コロナウイルスによる死者数の推移もします。
新型コロナウイルスによる死者数については、過去最高になっています。
ワクチン接種は、日本では、以前の「感染防止のために接種」から主旨替えして、最近「重症化防止のために接種する」という名目で、ワクチン接種が推奨されていますが、このグラフからわかるように、イスラエルの場合、3回目接種を行なっても重症化防止どころか、過去最高の死者が発生していて、このワクチンは全く、コロナによる重症化防止、死を防ぐことになっていないことがわかります。
英国、3回目接種率vs死者数
同じような3回目接種が進んでいる国の英国についても、同様にグラフ化してみました。英国の100万人あたりの新規感染者数とワクチン接種率(2回目、3回目)を下図に示します。イスラエルと比較できるように縦軸のスケールを同じにしてあります。
英国もワクチン接種率が高く、3回目接種率が約55%にも達しています。しかし、新規感染者数は過去最高となっています。英国も、すでに、感染者数がピークアウトしていて、高い3回目接種率にもかかわらず、オミクロン株に対して、感染拡大を抑えられなかったのがわかります。
また、英国での新型コロナウイルスによる死者数の推移もします。
英国では、以前のピークよりも死者数は少ないものの、3回目接種を進めていっても、新型コロナによる死者数の増加を抑えられていません。2月初めの段階での比較で、英国は日本の8倍の死者が発生しています。
(比較)日本、3回目接種率vs死者数
比較として日本について、同様にグラフ化してみました。日本の100万人あたりの新規感染者数とワクチン接種率(2回目、3回目)を下図に示します。日本の新規感染者数は非常に低いので縦軸のスケールを、イスラエル、英国の場合の10倍にしてあります。
日本での3回目接種はほとんど進んでおらず、現状で、約4%程度です。今後の推移が不明ですが、日本の新規感染者数は、過去最高になっていますが、イスラエルや英国よりも値が低く、イスラエルの約34分の1、英国の4分の1程度と非常に少ないレベルです。
また、日本での新型コロナウイルスによる死者数の推移もします。
日本の新型コロナによる死者数は、今後増加する傾向があるものの、イスラエルや英国と比較すると、3回目接種がほとんど進んでいないにもかかわらず、非常に低い値になっています。
(まとめ)3回目接種でも、予防効果はもはや期待できない
イスラエルと英国のグラフからわかるのは次のようなことです。
- (感染防止効果)3回目のワクチン接種率をあげても、感染防止には効果が見られていない。
- (重症化防止・死亡防止)英国では、第6波において、死者数が以前の感染ピーク(第3波)の時より減っているように見えるが、変異株が弱毒化しただけのためと推測され、ワクチン接種の効果の割には、依然として死亡数は多い。イスラエルについては、死者数減少に対して、ワクチン接種の効果が全くでていない。
イスラエルと英国からわかるのは、これだけ3回目接種を行なったところで、一向に感染防止にはなっていないし、死者数を劇的に減らすことはできないということです。つまり、日本が3回目接種を進めようとやっきになっていますが、そもそも、感染者や死者数が少ないのに、3回目接種を行なっても、これ以上下がるとは思われないということが推測できます。
日本、依然として、ワクチン接種させようとする人たち
政府や、自治体の長は3回目接種を行なおうと躍起になっています。その報道の様子です。
3回目接種「1日100万回」…首相が目標 今月後半までに(読売新聞 2022/2/8)岸田首相は7日の衆院予算委員会で、新型コロナウイルスワクチンの3回目接種について、今月後半までに1日100万回の接種を目指す考えを表明した。目標を掲げて自治体や国民への接種呼びかけを強め、想定より遅れている接種を加速化させる狙いがある。
大村知事「とにかくワクチン接種を大加速」 愛知で6カ所目の大規模接種会場が開設(メーテレ 2022/2/7)愛知県の大村秀章知事は「とにかくワクチン接種を大加速していきたい」としています。愛知県は7日、6カ所目の大規模接種会場を豊橋市に開設しました。
また、テレビによく出てくる以下の医師の方は、以下のようにコメントをしています。
長崎大病院・森内 教授に聞く!新型コロナワクチン3回目接種が本格化…抗体は?副反応は?(テレビ長崎 2022/2/1)森内 教授は副反応について、熱やけん怠感などが出るとしていますが、最新の治験データでは2回目に比べると変わらないか、やや軽くなる人が多いとしています。特に高齢者は若い人に比べると副反応が出づらいので、感染後の重症化リスクを考えると、早めの接種を検討してほしいと語気を強めていました
尾身会長が3度目のワクチン接種「種類にかかわらず早く打つことをお勧めします」(日刊スポーツ 2022/2/5)尾身会長 3回目を打つとですね、感染予防効果、まあ、重症化の予防効果があるという報告はありますけれども、感染力予防効果は時間ともに落ちて、3回目の接種をすると間違いなく抗体があがって、感染の防護効果はあがると思います。うたない時よりか、かなり重症化予防もあるし、感染予防効果もあるので、先ほども申しましたように高齢者を含めた今の状況を少しでも下方に向けるのに必要だと思います。
これだけ、ブレイクスルー感染が出ている(新規感染者の半分はブレイクスルー感染)ので、政府関係者は、ワクチン接種での感染予防効果について触れないと思いきや、尾身会長はワクチン接種で感染予防効果がることについて普通にコメントしていて、適当にコメントしているのか、本当に感染予防効果があると思っているのか、謎です。
最後に
日本で、今から3回目接種率が5割を超えるには、どんなにがんばっても1ヵ月はかかるでしょうから、3月中~末とかになるはずです。その頃には第6波は完全にピークアウトしていると予想されます。この記事で示したように、ワクチン接種で予防効果が期待できないのに、私は、あの強烈な副反応が起こるワクチン接種を推奨する気がしれないです。もう、そろそろ、ワクチン頼みの対策から転向すべきときと思っています。